『好きなものに囲まれて生きていきたい♪』活字三昧

「敵の侵入ならば相当に厄介だよ」
「敵の侵入でなければもっと厄介です」

『いくさの底』 古処誠二

戦争ミステリ。
ワタクシ的には、
古処作品でしか、
味わったことのないジャンルです。

「賀川少尉を殺したのはわたしです」
第二次世界大戦のビルマ北部。
日本軍警備隊が駐屯する山村で、
一人の将校が殺害される。
村人には死因を伏せたまま、
第2の殺人が起きてしまう。

通訳の日本人商社員、
依井の視点から描かれる殺人事件。

魅力的な探偵が登場するワケでもない。
あっと驚く謎解きがあるワケでもない。

戦争小説にとって重要な要因である、
悲惨さや残虐さを描いているワケでもない。

殺人があったのに、
淡々と進んでいく印象の物語。
不穏。
閉鎖的。
息苦しさ。
疑念。
しかし、
読むことをやめられない…
不思議な読書感覚。

物語が終ってしまえば、
何と潔い、
妙に納得の結末でした。

『UNKNOWN』の再読、
加えて他の古処作品も読んでみたい。

BGM:Glass Beams『Orb』
最後までお読み頂き、
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