『好きなものに囲まれて生きていきたい♪』活字三昧

「頑張ったよな、俺」

『清浄島』 河崎秋子

昨年、図書館で借りて読んで、
ひとりの研究員の奮闘に大感動。
今年になって文庫で発売したので、
嬉々として購入し、再読。

寄生虫、エキノコックス。
聞いたことあるけど、
詳しくは知らない…
本作、
エキノコックスがもたらす謎多き感染症に、
若き研究者が挑むお話。

研究員・土橋と島民との心の距離感。
会話。
表情。
やり取り。
描き方が上手い。
それぞれの立場で、
悩み、
苦しみ、
それでも手探りで、
関係を紡いでゆく。

関係が深まっていくから、
判断がツラくなる。
誠実、故の葛藤。
土橋の苦悩が読み手にも伝染する。

読みどころの多い作品ですが、
イチバン印象に残っているのは、
土橋と、
次郎少年と、
愛犬トモ…
未来を守るために、
突きつけた残酷。
再読でも涙が零れた。

物語は島での研究がひと段落した後、
20年後までしっかり描かれている。
注意喚起でもあり、
問題解決の裏側には、
様々な立場の人がいて、
その人達の暮らしがあって、
喜怒哀楽があって、
情熱があって、
犠牲があって、
報われる部分もあれば、
そうでない部分もある…
故の「残酷さ」を知ることが出来た。

ワタクシの人生において、
価値のある読書でした。


BGM:宮田大,大萩康司『スカボロー・フェア』
最後までお読み頂き、
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